スタッフブログ
あたり。
2020.11.23
今僕が住んでいる家は元々祖父母が住んでいて、
その祖父母が雲の上に旅行に行ったきり帰ってこなくなったために
僕たちが留守番を兼ねて住み続けているという流れ。
築40年以上経つこの家は、
現代のいわゆる “ おしゃれな住宅 ” とはほど遠いですが、
それなりに住み心地は良いです。
幼少期もこの家からわりと近い位置に住んでいたため、
じいちゃんばあちゃん子の僕は昔からこの家が好きで、毎日のように通いました。
夏休みや冬休みは休みが終わるまでこの家で過ごし、
苦手な作文はおじいちゃんがつくってくれたものを丸写し。
習ってもいない言葉の数々に先生たちもあからさま過ぎて笑っていたに違いありません。
そんな頃からこの家とは長い歳月をともにしました。
元々小さかった
庭にあるたくさんの植物たちも同じ時を過ごし、
鬱蒼とまではいかないものの、
” 桝江くんちって森みたいじゃな ”
と言われるくらいにまで成長しました。
そんな森と言われた庭の植物たちを
1度綺麗にしてやろうと、
5年ほど前に良く知る庭師さんに剪定を依頼した時のこと。
植物に”うとい”僕でも、さすがに家の庭の植物くらいは知っておこうと庭師さんにあれこれ樹種を聞きました。
祖父は山口県出身、祖母は鹿児島県出身、
そんなことを教えてもいないのに、
これはどこどこの木、これはあそこの…
半信半疑ではあったのですが、
あまりにも祖父母の出身地とゆかりのある樹種を言うので嬉しくも不思議な気持ちになったのを覚えています。
植え方もよく考えて植えられているらしく、
当時の庭師さんはきちんと祖父母の背景を感じとってくださったんだと思い、少し感慨深くもなりました。
シンボルツリーである薩摩杉は現在8m以上あり、
すぐ裏のコーポに対し非常に良い目隠しとなっています。
そんなたくさんの植物の中にクロガネモチという木があるのですが、
庭師さんいわくこの木には当たりはずれがあり、
あたりの場合は赤い実がなり、はずれの場合は実がならないといいます。
僕の家のクロガネモチは実がなっておらず(当時実がなる時期)
それを見て、
桝江さんちのは実がなってないけハズレじゃな、
ハハハと一緒に笑ったのを思い出します。
心の中でハズレって言うなと思いながら…
ところが先週の水曜日、
休日の朝に母親が外にあるポストに郵便物を取りに行き、
家に入ってくるなり、「赤い実がなっとる!」
当時のことはすっかり忘れていたので
初めは何のことかピンとこなかったのですが、
実がなっていたのはハズレだったはずのクロガネモチでした。
40年以上の時を経て、
初めてでも実がなったということは、
このクロガネモチはハズレではなく、
当たりのクロガネモチだったということになります。
あの時の庭師さんにどや顔で見せてやりたい気持ちは抑えつつ、
何となく縁起が良さそうな気がするので、
これが色んな部分で
実を結ぶというところにつながれば良いなと
秋の空を見ながらしみじみ思った休日の朝の話でした。。
桝江でした。。