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大型改修物件で見つけた雪見障子
2021.03.11
みなさんおはようございます。(株)木ままの川上です。
花粉症の季節がやってまいりました。目が痒いのとくしゃみが
止まらない為、今年からは薬の力に頼る様になってしまいました。
アレルギー持ちには辛い時期になってきましたが、暖かくなり
過ごしやすい時期になって来てるのでポジティブに捉えて春を
迎えます。
さて、先日紹介した本の中に仕切りという章がありました。
仕切りというと、間仕切り壁や建具を思い浮かべると思います。
仕切ると言っても、完全に向こう側を見えなくするだけでなく、
格子を使えば仕切っていても隙間から仕切りの向こう側が見えたり
間境の襖なんかだと音が聞こえたりでなんとなく向こう側の雰囲気
が伝わってきたりします。障子だと光は通すので影が動くことで
仕切りの向こう側の気配を感じられます。仕切り一つとっても
様々な手段を持ってして仕切ってきた日本の住宅。
その中で雪見障子と呼ばれる障子があります。
雪見障子というネーミングセンスの良さに昔の人の言葉選びの
センスを感じるという話はおいておいて、上の様に外からの視線
を遮りたい時は障子の様相で使います。
しかし、下の写真の様にした半分の障子を上げる細工をしてあると
普段は庭を見ることも可能になります。
開口部の先に庭を設計し、外の景色を取り入れる。フクロウさんと
目があいますよね。笑
冬なんかだと草木に雪が積もっていて白化粧された庭を眺めたいと思った
先人が建具屋と相談して考えて作られたのかなと。それをした半分だけ空け
て実現する昔の建具大工の粋を感じられる障子建具の一つです。
しかし、現代では作られることがなく特殊な竹などで作られたバネ
の様なもので落ちない細工をしてあるのですが需要の低下と共に
生産されなくなったそうです。また一つ趣深い物が消えていった
現実を建具屋さんから聞いて少し悲しい気持ちになりました。
奥の深い日本の建築。知れば知るほど先人の自然との共存の為の
知恵深さに驚嘆させられます。
まだまだこれからも勉強です。
今日も朝から図面を書くとします。
それではまた来週。